設立趣意書

近年日本においては、少子高齢化による人口減少などを背景として従来にも増して将来の経済成長をいかに図るかが課題となっています。その中で科学技術によるイノベーションの重要性はより一層増しており、大学等における専門教育とともに多くの市民、特に未来の研究者となる可能性をもつ子供たちへの科学教育が重視されています。また学校教育においては、ITの発達やグローバル化といった予想される社会の変化に備え、単なる知識の詰め込みではなく、社会で必要となる思考力やコミュニケーション能力をいかに子供たちへ習得させるかが課題となっています。

 

こうした社会的な背景を元に様々な団体が子供たちや一般の市民へ科学を伝える活動、通称サイエンスコミュニケーション活動(以下SC活動)が行われています。その中のひとつとして単なる知識の習得ではなく、実際に子供たちが経験できることを強みとした体験型の実験教室が各地で催されています。中にはまだ社会に出ていない学生による活動も数多く、首都圏を中心として各大学ではSC活動を行う団体が増加し、多くの学生による体験型実験教室イベントなどが開かれています。また、学生たちによるSC活動の目的は子供たちへの科学教育だけでなく、こうしたSC活動を通して学生自身が多くの人々との出会い、学び、そして成長することも大きな目的となっており、社会における学生の成長の場としても学生によるSC活動の重要性が増してきています。しかしながらこうした学生による団体は一つ一つが独立に活動しており互いに切磋琢磨する環境は整っておらず、学生によるSC活動を広く社会へ伝える運動は未だ活発であるとは言えません。

 

 そこで私たちは学生がより活発にSC活動を行える環境を作るために学生による有志の任意団体を結成し、SC活動を行う学生団体を集めで行う大規模な体験型科学実験イベント「サイエンスリンク」を2012年より企画してきました。これにより学生によるSC活動を広く社会に発信し、学生自身が切磋琢磨して様々なチャレンジを行う場を提供しました。その後2015年までに私たちは計7回同様の大規模イベントを実施し、来場者数は累計15000人以上に達しました。

 

しかしこうした活動を繰り返す中で私たちは学生による任意団体としての限界を感じています。そこでより確かな社会的な信用を得て、学生によるSC活動を充実させていくための手段として、この度NPO法人として新たに団体を立ち上げることといたしました。法人格の取得により従来不可能であった助成金の取得や、教育行政機関との協力関係の構築を行うことが可能となります。これらにより私たちはより大規模なイベントを実施し、学生によるSC活動をさらに発展させることが出来ます。こうした学生によるSC活動の活発化により、大学生自身が成長しながらより多くの子供たちに充実した科学教育を届けることで、社会の公益に寄与していきたいと考えています。

 平成28年1月31日

設立代表者 佐野雄図